収縮期血圧と拡張期血圧とでどちらを重視すべきでしょうか?
一般的なお答え
収縮期血圧と拡張期血圧とは、心臓が血液を送り出すときと、心臓が休息するときの血圧のことです。収縮期血圧は上の数値、拡張期血圧は下の数値になります。例えば、120/80mmHgという血圧の場合、収縮期血圧は120mmHg、拡張期血圧は80mmHgです。
収縮期血圧と拡張期血圧のどちらを重視すべきかは、個人の状況によって異なります。一般的には、収縮期血圧が高い場合は動脈硬化や心筋梗塞などの心臓病のリスクが高まります。拡張期血圧が高い場合は脳卒中や腎不全などの脳や腎臓の病気のリスクが高まります。しかし、収縮期血圧と拡張期血圧の差が大きい場合も注意が必要です。この差を脈圧と呼びますが、脈圧が大きい場合は動脈の弾力性が低下していることを示します。脈圧が大きい場合は心不全や認知症などのリスクも高くなります。
したがって、収縮期血圧と拡張期血圧のどちらを重視すべきかは一概に言えません。自分の年齢や健康状態に応じて、適切な目標値を設定し、定期的に測定して管理することが大切です。また、高血圧を予防するためには、塩分やアルコールの摂取量を控える、適度な運動をする、ストレスを減らすなどの生活習慣の改善も必要です。
私なりの見解
拡張期血圧が高いと大変心配され、質問される方が大変多いです。ご批判もあるかもしれませんが、私なりの見解を敢えて書かせていただきます。
基本的には、血圧のコントロールは収縮期血圧すなわち上の血圧重視で行い、拡張期血圧は参考程度でよいと考えています。収縮期血圧をコントロールするのは現在の降圧薬で治療するのは可能ですが、拡張期血圧のみをコントロールする試みはあまりされていませんし、有効性が低い印象です。現在発表されています多数のエビデンスをまとめると、このような考え方で治療させていただくのが良いのではないかと考えています。