それぞれの症状について

発熱

発熱とは?

発熱は、体温が正常値よりも高くなる現象であり、様々な要因が考えられます。例えば、感染症、自己免疫疾患、薬物反応、腫瘍、ホルモン異常などが挙げられます。発熱はよく見られる症状ですが、発熱を繰り返すときは前述した病気が原因の可能性があります。なかには命に関わるような病気が背景にあるケースもありますので決して看過することはできない症状の1つです。

発熱の原因

急性の発熱と慢性の繰り返す発熱

急性の発熱とは、感染症や外傷などの急な刺激によって体温が上昇することです。新型コロナ感染症やインフルエンザがこのパターンです。通常は数日から数週間で治まります。慢性の繰り返す発熱とは、原因が不明なまま長期間にわたって発熱が続くことです。一般的には3週間以上発熱が持続する場合に慢性とみなされます。慢性の発熱の原因としては、自己免疫疾患や腫瘍などが考えられます。
発熱の原因を特定するには、発熱の程度や持続時間、変動パターンや持病の有無、服用している薬の種類などを検討します。感染症では、流行の有無や年齢や環境によって推定することも大切です。新型コロナ感染症やインフルエンザが流行している時期には、可能性を高く考えるべきです。ご高齢の方の発熱の原因として肺炎や腎盂腎炎を疑ってみることもします。医師はこれらの情報をもとに、必要に応じて血液検査や画像診断などを行い、発熱の原因を診断します。
新型コロナ感染症の発熱

新型コロナ感染症は、主に呼吸器系に影響を与えるウイルスによって引き起こされる感染症です。発熱は、新型コロナ感染症の最も一般的な症状の一つであり、約8割の患者が発熱を経験します。発熱の程度は個人差がありますが、平均的には37.5度以上の高熱が出ます。発熱の期間も個人差がありますが、平均的には約1週間程度です。発熱は、ウイルスに対する免疫反応の一つであり、体温を上げることでウイルスの増殖を抑える効果があります。しかし、発熱が高すぎると、脱水や脳障害などの危険な合併症を引き起こす可能性があります。そのため、発熱がある場合は、適切な水分補給や解熱剤の服用などで体温を管理することが重要です。また、発熱以外にも咳や呼吸困難などの重篤な症状がある場合は、速やかに医療機関に相談することが必要です。
インフルエンザの発熱

急に高くなり、38度以上に達することが多いです。発熱はインフルエンザウイルスに対する免疫反応の一つで、体温を上げることでウイルスの増殖を抑える効果があります。しかし、発熱が高すぎると体に負担がかかり、脱水や熱性けいれんなどの合併症を引き起こす可能性があります。インフルエンザの発熱は通常3~4日程度で下がりますが、個人差や重症度によってはもっと長く続く場合もあります。発熱が長引く場合は、医師の診察を受けることをおすすめします。

新型コロナ感染症もインフルエンザも抗原検査で診断可能です。発症から検査までの期間が短いと検査が陰性となることもあります。しかしながら、検査で陽性となり診断が確定すれば、適切な方法を検討することが可能となります。重症化リスクの高い方の場合には、抗ウイルス薬処方も考慮されます。