それぞれの症状について
失神
失神とは、脳全体が酸素不足になって一時的に意識を失う状態です。失神は病態として重篤な場合もありますので、発症したらすぐに医師の診察を受ける必要があります。
- 原因
- 一般的には血圧の低下や心臓の不整脈が関係しています。失神は病態として次のように分類されます。
- 心原性失神
- 心臓の異常によって血液の循環が悪くなり、脳に十分な酸素が届かないために起こる失神です。心筋梗塞や大動脈弁狭窄症などの心臓病や、心室細動や洞房ブロックなどの不整脈が原因となります。心原性失神は生命に危険な場合が多いので、早急な治療が必要です。
- 神経反射性失神
- 血管や心臓に働く自律神経の反射が過敏になり、血圧や心拍数が急激に変化するために起こる失神です。長時間立っているときや、暑い場所で汗をかいたとき、咳や排便などの刺激で起こることがあります。神経反射性失神は一般的には重篤ではありませんが、再発する可能性があります。
- 起立性低血圧性失神
- 立ち上がったときや長時間立っているときに血圧が低下するために起こる失神です。高齢者や降圧薬を服用している人に多く見られます。起立性低血圧性失神は生命に危険ではありませんが、転倒や外傷のリスクがあります。
- 治療
- 基本的には血圧や心拍数を安定させることが大切です。
- 心原性失神
- ペースメーカーや除細動器のの処置が必要な場合があります。
- 神経反射性失神や起立性低血圧性失神
- 水分や塩分の摂取、睡眠や運動の調整、着圧ソックスの使用などの生活指導が行われます。また、前駆症状を感じたらすぐに座ったりしゃがんだりすることで、失神を予防することもできます。