それぞれの症状について

胸痛(心蔵病・血管病以外)

心蔵病・血管病以外の胸痛について
胸痛は、むかむかする程度から激痛まで幅広い症状があります。強い胸痛でなくても、場所が心臓に近く、不安になる方も多いです。胸痛があり救急搬送された患者さんを集めた欧米の研究では、胸痛の原因は、心臓以外の原因の中では、逆流性食道炎が一番多かったとの報告があります。胸には、心臓だけでなく、食道、胃、肺、肺を包む胸膜、心臓を包む心膜、筋肉、肋骨、胸骨、それらを接続する靱帯などがあり、それぞれ痛みが発生します。少し離れていますが、胆のうや膵臓などの病気も胸痛と感じる方もいます。心蔵病・血管病以外の胸痛を診断するためには、まず心臓や血管の病気を除外する必要があります。心電図、レントゲン検査や採血検査などで心臓や血管に異常がないことを確認した後、各種検査や診断的治療で診断を確定していきます。
各胸痛の詳細
気胸
特徴は、呼吸と関連した痛みの変化です。重症化すれば血中酸素飽和度も低下します。その中で緊張性気胸は、頻度は少ないと思われますが、危険性が高いので念頭に置いておくべきです。症状が強いときには、一刻も早い診断が必要となります。
肋軟骨炎
上位肋骨の胸肋関節、肋骨肋軟骨接合部や下部肋骨をおさえると、受診するに至った胸痛と同じ痛みが再現されます。体を動かすと痛みが変化する、深呼吸で変化する痛みが特徴です。
逆流性食道炎
胃から食道へ胃酸が逆流する病気です。狭心症と非常によく似た症状の方がいます。また慢性の咳になることもあります。食べ物は嚥下後、食道から胃へ移動します。胃と食道の間には括約筋があり、これがゆるくなると胃から食道への胃の内容物の逆流が起こります。原因は、食道裂孔ヘルニアや、腹圧の増加、圧迫骨折などによる前屈姿勢などです。食道に胃酸が逆流することにより、食道粘膜が障害され、症状が発症します。上部消化管内視鏡では、所見の認められないものから、潰瘍を伴う著しいものまであります。症状があり、胃食逆流の存在が予測される場合は、治療を開始します。内視鏡所見は、所見が乏しいこともまれでなく、あくまで参考です。しかし、内視鏡検査をしないと、がんの診断がつきませんし、また、食道裂孔ヘルニアの存在や逆流性食道炎の重症度もわかりませんので、内視鏡検査をお勧めすることが多いです。
帯状疱疹
痛みが皮疹に先行し、原因が特定しがたいことがあります。しかしながら皮膚表面の触診で、皮膚感覚の左右差があることが多いです。患者さんご本人に、痛みの部分の皮膚を観察、スマホでの写真撮影などをアドバイスしておくと、写真上、皮膚のごくわずかな皮疹が明らかになってくることがあります。
急性胸膜炎
肺の周りの胸膜の炎症です。深呼吸で痛みの変化があります。
その他可能性のある病名一覧
筋緊張、胆石症、食道けいれん、肺炎、不安、外傷、パニック障害、肺悪性腫瘍、縦隔腫瘍、食道破裂