お知らせ

帯状疱疹の治療について

 帯状疱疹で受診される方が多いくいらっしゃいます。ワクチンなども良いものが出てきており、帯状疱疹という疾患についての認知が進んでいると思われます。

 特に胸部に出現した場合、心筋梗塞でないかと心配されるほどの強い痛みの方もいらっしゃいますので、情報をご提供したいと思います。

 帯状疱疹とは、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる皮膚の感染症です。このウイルスは、水ぼうそうにかかった後も神経節に潜伏し、免疫力が低下したときに再活性化して帯状疱疹を発症します。帯状疱疹は、主に胸や腰などの体幹部に沿って一方側に赤い発疹や水ぶくれができるのが特徴です。これらの水ぶくれは、数日から数週間でかさぶたになり、自然に治りますが、強い痛みやかゆみを伴うことがあります。また、水ぶくれが消えた後も神経痛が残ることがあります。

 帯状疱疹の治療は、早期に抗ウイルス薬を服用することが重要です。抗ウイルス薬は、ウイルスの増殖を抑えて発疹の広がりや重症化を防ぎます。また、神経痛の予防や軽減にも効果があります。抗ウイルス薬は、発疹が出現した後72時間以内に服用することが望ましいです。抗ウイルス薬の種類や用量は、医師の指示に従ってください。抗ウイルス薬の服用期間は、通常7日から10日です。

 帯状疱疹の治療には、他にも対症療法が必要です。発疹や水ぶくれは、清潔に保ち、消毒液や塗り薬でケアします。水ぶくれを潰したり、かいたりしないように注意してください。また、湿布や冷却剤などで冷やすことで、かゆみや炎症を和らげることができます。強い神経痛がある場合は、鎮痛剤や神経ブロックなどを用いて治療します。神経ブロックは、局所麻酔薬を注射することで神経を一時的に麻酔し、神経伝達物質の放出を抑制する方法です。

 帯状疱疹は、自己免疫力で治癒することができますが、合併症を起こす可能性もあります。合併症としては、眼や耳などの感染や障害、細菌感染による化膿や壊死、慢性的な神経障害などがあります。これらの合併症を予防するためには、早期に医師の診察を受けて適切な治療を行うことが必要です。