女性は更年期になると、これまで体を守っていた女性ホルモンが減少し、更年期症状が出るだけでなく、さまざまな生活習慣病のリスクが高まります。
◯生活習慣病について
生活習慣病は、性別によらず、食生活の乱れ、運動不足、喫煙、過労やストレスがおもな原因です。代表的な生活習慣病として、高血圧症、脂質異常症と糖尿病の3つが挙げられます。
高血圧症
動脈硬化の原因として、最もリスクが高いのが高血圧です。若いときは低血圧だった人も、閉経を境にいつのまにか高血圧になっていることもあります。血圧には、収縮期血圧(上の血圧)と拡張期血圧(下の血圧)のふたつがありますが、上の血圧が140以上(家庭計測では135以上)、下の血圧が90以上(家庭計測では85以上)、どちらか一方でもこの数値になると高血圧です。
脂質異常症
更年期には女性ホルモンのエストロゲンが減少し、悪玉コレステロール(LDL)の値が上昇することが知られています。女性ホルモンが減る更年期は、悪玉コレステロールの数値が高くなります。血液検査で、基準値を超えていたら、脂質異常症と診断されます。
糖尿病
閉経後は体内での糖代謝力が弱まり、糖尿病のリスクが高まります。動脈硬化や神経障害、網膜症、腎臓障害を引き起こします。
◯これらの生活習慣病が危険な動脈硬化症を引き起こします。
動脈硬化症は、生命に危険をもたらす脳卒中、心筋梗塞や大動脈瘤などの血管病を引き起こします。
生活習慣病治療の最大の目標は、動脈硬化の予防、究極的には危険な血管病の予防です。
動脈硬化症は「血圧脈波検査」「頸動脈超音波検査」で診断が可能です。
血管病の診断・治療についてご心配の方は、循環器専門医・超音波専門医にご相談ください。