一般内科

ヘリコバクターピロリ感染症の診断と治療

ヘリコバクターピロリ感染症とは、胃の粘膜にヘリコバクターピロリ菌(以下、ピロリ菌)という細菌が感染した状態のことです。ピロリ菌は胃酸に耐えられる特殊な酵素を持っており、胃の中で生き残ることができます。ピロリ菌は不衛生な飲み水や食べ物、家族内感染などで体内に入ります。日本では50歳以上の人の約80%が感染していますが、感染者のほとんどは症状を感じません。

しかし、ピロリ菌に感染していると、胃の粘膜が炎症を起こし、胃酸によるダメージを受けやすくなります。これにより、慢性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの消化器疾患を引き起こす可能性が高まります。また、長期間の感染は胃の粘膜が萎縮し、胃がんや胃MALTリンパ腫などの発がんリスクを増加させます 。

診断


ピロリ菌感染の診断には、血液検査、尿検査、便検査、尿素呼気試験などの非侵襲的検査や、胃カメラによる内視鏡検査などの侵襲的検査があります。内視鏡検査では、胃の粘膜を直接観察できるだけでなく、生検という方法で組織を採取してピロリ菌の有無や胃がんの有無を調べることもできます。

治療


ピロリ菌感染の治療には、除菌療法と呼ばれる方法が用いられます。除菌療法では、プロトンポンプ阻害薬(PPI)やカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)という胃酸分泌を抑える薬と、アモキシシリンやクラリスロマイシンなどの抗菌薬を組み合わせて服用します。除菌療法は7日間行い、その後4週間以上経過してから除菌判定を行います。除菌判定には尿素呼気試験や便検査が推奨されています 。

ヘリコバクターピロリの除菌治療が成功した後にも、がんのリスクが完全に消失するわけではないため、定期的な胃の内視鏡検査を勧めすることが多いです。

ピロリ菌感染は多くの消化器疾患や癌の原因となる可能性があります。しかし、除菌治療によってこれらの病気の予防や改善が期待できます。ピロリ菌感染が疑われる場合は、内科などで検査・治療を受けることをお勧めします。