院長ブログ

不整脈診療におけるApple Watchの役割

Apple Watchの役割と機能

Apple Watchは、心房細動などの不整脈の診断と管理において重要な役割を果たしています。このデバイスは、心電図アプリケーションを使用して、ユーザーが自分の心拍リズムを記録し、不規則な心拍リズムを検出することができます。これにより、心房細動の兆候を早期に発見し、必要な場合には医療者との対話や治療につなげることが可能になります。

日本における導入と普及

日本では、Apple Watchの心電図アプリケーションと不規則な心拍の通知機能が2021年に解禁され、多くのユーザーが自宅で心臓の健康を管理する新たな手段を得ました。Apple Watchで計測したデータの精度は非常に高く、不整脈を抱える患者が自身で心電図を記録し、それを医師に提示することで、適切な診断と早期治療を受けることができるようになっています。

実際の診療での活用例

私は、Apple Watchなどのデバイスに非常に興味を持っており、以前から実際の不整脈診療に活用してきました。通院される患者さんのApple Watchの心電図記録を発端として、心房細動を診断し、カテーテルアブレーションの治療を受けていただいた患者さんは10人以上います。カテーテルアブレーション治療を受けた患者さんは、皆お元気でいらっしゃいます。

現在も、Apple Watchの心電図データを、ご自身のiPhoneでPDFにして、10-20枚の心電図を印刷され、診察時にお持ちになる患者さんもおられます。これにより、個々の生活習慣と心房細動の発生との関連を理解し、予防的な健康管理を行うことができます。Apple Watchの日常のデータは、診療において重要な情報源となり得ます。

Apple Watchを含めたデバイスへの期待

今後デバイスがさらに発展し、健康増進に役立つことを期待しています。

執筆者
院長 宮本貴庸
山形大学医学部 卒業
武蔵野赤十字病院循環器科 部長
東京医科歯科大学医学部 臨床講師
武蔵野赤十字病院総合診療科 部長
東京都教職員互助会 三楽病院循環器内科 部長
武蔵野赤十字病院循環器内科非常勤医(水曜日)として勤務中