院長ブログ

健康診断で、尿酸が高いと言われたら?

尿酸とは?

尿酸は、食べ物や飲み物に含まれるプリン体や、私たちの体を作る細胞の中の核酸が分解されたときにできる老廃物です。尿酸は腎臓や腸から排泄されますが、排泄量が減ったり、生成量が増えたりすると、血液中の尿酸濃度が高くなります。これを高尿酸血症といいます 。

高尿酸血症

高尿酸血症は自覚症状がないことが多いですが、放置すると痛風や尿路結石、腎障害などの病気を引き起こす可能性があります 。また、高血圧や糖尿病などの生活習慣病や、心筋梗塞や脳卒中などの動脈硬化性疾患とも関連しています 。

<原因>

高尿酸血症の原因は、遺伝的な要因や薬剤の影響もありますが、主に食事や運動などの生活習慣によるものです 。特にアルコールやプリン体を多く含む食品(レバーやイワシなど)の摂取は尿酸値を上げる要因となります 。

<対策>

高尿酸血症の治療は、基本的には生活習慣の改善が重要です 。具体的には以下のようなことを心がけましょう。

– アルコールの摂取を控える
– プリン体を多く含む食品を控える
– 摂取カロリーを適切に制限する
– 水分を十分に摂取する
– 有酸素運動を行う

これらの対策で尿酸値が改善しない場合や、すでに痛風発作や合併症がある場合は、医師の指示に従って尿酸降下薬を服用する必要があります 。尿酸降下薬には、尿酸生成抑制薬(アロプリノールなど)、尿酸排泄促進薬(ベンズブロマロンなど)、尿酸分解酵素薬(ペグロチカーゼなど)があります 。医師は患者さんの状態に応じて最適な薬を選択します。

まとめ

健康診断で尿酸値が高いと言われたら、まずは自分の生活習慣を見直してみましょう。また、不安や疑問があれば、相談してください 。高尿酸血症は早期に対処すれば予防や改善が可能な病気です。自分の健康を守るためにも、適切な対策をとりましょう。

執筆者
院長 宮本貴庸
山形大学医学部 卒業
武蔵野赤十字病院循環器科 部長
東京医科歯科大学医学部 臨床講師
武蔵野赤十字病院総合診療科 部長
東京都教職員互助会 三楽病院循環器内科 部長
武蔵野赤十字病院循環器内科非常勤医(水曜日)として勤務中