院長ブログ

健康診断の心電図で「心肥大」と言われました。私は、症状がないですが、どうしたらよいでしょう?

心肥大とは?

心肥大とは、心臓の筋肉が厚くなることで、心臓の働きに影響を与える可能性がある状態です。

心肥大の原因

心肥大は、高血圧や心臓弁膜症などの病気が原因で起こることが多いですが、運動や遺伝などの要因もあります。女性ホルモン、内服している薬物の影響、体の血液の電解質の変化によっても、心電図では心肥大と思われる所見のこともあります。したがって心肥大は、心電図だけでは確定的に診断できません。心電図は、心臓の電気的な活動を記録するもので、心臓の形や大きさを直接見ることはできません。そのため、心電図で「心肥大」と言われた場合は、他の検査を受ける必要があります。

心肥大への追加の検査とは?

採血でナトリウム、カリウム、カルシウムなどの電解質の検査に加えて、貧血ほか一般的なスクリーニングが行われます。さらにNT-pro BNPやBNPを測定することがあります。また、心臓超音波検査、心臓MRI検査などの画像診断法で、心臓の形や大きさを詳しく調べることができます。心肥大は一般的には心筋の問題を考えますが、同様な変化は、冠動脈疾患や弁膜症でもあるので、原因を特定するための検査が必要になることがあります。心肥大の原因や程度によっては、薬物療法や手術などの治療が必要になる場合もあります。

無症状の方へのメッセージ

健康診断の心電図で「心肥大」と言われた場合は、まずは落ち着いてください。症状がないということは、重篤な状態ではないということです。しかし、放置すると危険なこともありますので、できるだけ専門医に相談してください。専門医は、あなたの病歴や生活習慣などを聞いて、適切な検査や治療をさがしてくれます。心肥大は、早期発見・早期治療が重要です。気になることがあったらご相談ください。

執筆者
院長 宮本貴庸
山形大学医学部 卒業
武蔵野赤十字病院循環器科 部長
東京医科歯科大学医学部 臨床講師
武蔵野赤十字病院総合診療科 部長
東京都教職員互助会 三楽病院循環器内科 部長
武蔵野赤十字病院循環器内科非常勤医(水曜日)として勤務中

カテゴリー