院長ブログ

失神とてんかんの違い

院長 宮本貴庸


山形大学医学部 卒業
武蔵野赤十字病院循環器科 部長
東京医科歯科大学医学部 臨床講師
武蔵野赤十字病院総合診療科 部長
東京都教職員互助会 三楽病院循環器内科 部長
武蔵野赤十字病院循環器内科非常勤医(水曜日)として勤務中

両方とも意識障害を伴う症状ですが、その原因と特徴は異なります。

失神

脳への血流が一時的に低下することで起こります。そのため、意識障害の時間は短く、数秒から数分程度です。また、失神の前にはめまいや発汗などの前兆があることが多く、失神後にはすぐに回復します。

てんかん

脳の神経細胞が異常に興奮することで起こります。そのため、意識障害の時間は長く、数分から数十分程度です。また、てんかんの前にはオーラと呼ばれる特殊な感覚があることがありますが、前兆は必ずしもありません。てんかん後には混乱や頭痛などの後遺症が残ることがあります。

失神とてんかんの鑑別

意識障害の時間や前後の状態などを詳しく聞くことで行います。また、脳波検査や心電図検査などの心臓精密検査が有用です。