院長ブログ

検診で心電図異常を指摘されたら?

検診で心電図異常を指摘されたらどうするか?というのは、多くの人が気になる質問だと思います。心電図異常とは、心臓の動きやリズムに何らかの問題があることを示すことがあり注意が必要です。心電図異常が見つかった場合、どのような病気が疑われるのか、どのような検査や治療が必要なのか、以下に説明します。

心電図異常の種類は2種類

まず、心電図異常には大きく分けて「波形の異常」と「リズムの異常」の2つがあります。

波形の異常とは、心臓の収縮時に発する電気信号が正常な形や高さと違っていることを指します。波形の異常がある場合、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患や、高血圧や肥満などによる心肥大などが考えられます。心肥大では「ST変化」がある方がおられ、精査の対象になりえます。

リズムの異常とは、心臓が規則正しく拍動していないことを指します。リズムの異常がある場合、不整脈と呼ばれる一群の病気が疑われます。不整脈には脈が遅くなる徐脈性不整脈や脈が速くなる頻脈性不整脈、脈が不規則になる期外収縮や心房細動などがあります。不整脈の頻度や形状が重症度に関連するため、精査をすることがあります。

自覚症状と並存疾患が重要

心電図異常を指摘されたら、まずは自覚症状があるかどうかを確認します。胸痛や動悸、息切れ、めまい、失神などの自覚症状がある場合は、すぐに循環器科を受診する必要があります

自覚症状がない場合でも、喫煙や高血圧、高コレステロール血症、糖尿病、高尿酸血症などの心臓病の危険因子を有する方や、血液検査で何らかの異常が指摘された方は、念のため循環器内科を受診することをお勧めします

循環器内科での診察の概要

まずは問診や身体診察で心電図異常の原因や重症度を推測します。その後、必要に応じてさらに詳しい検査を行います。

心電図で「波形の異常」がある場合は心臓超音波検査で心臓の形や動きを観察します。運動や薬物で負担をかけて、心臓の異常反応を検出し、診断することがあります。心臓MRIや心臓核医学検査なども施行されることがあります。

心電図上「リズムの異常」がある場合は、ホルター心電図で24時間以上にわたって心電図を記録します。さらにイベントレコーダーや植込み型心電計で不整脈発作時に心電図を記録します。冠動脈CTや心臓MRIは、冠動脈や心筋の精密検査が必要な場合に施行します。さらに精密検査が必要なら、不整脈の種類や原因を特定するために心臓カテーテル検査や電気生理学的検査が病院で行われます。

検査結果と治療方針

各種の検査によって疾患を診断し、重症度を推定し、自覚症状やご自身の希望も伺った上で、治療方針をお示しします。
検診でおいでになる方は、あまり自覚症状もない方もいらっしゃいますので、一度目の受診では、日常生活のアドバイスにとどまる方が多い印象です。一定時間経過後の再度の受診で変化を確かめることもよくします。必要時があれば、他の血液異常などと絡めてどのような対処をすべきか検討します。軽症な不整脈は、自覚症状の確認の上、何も治療せず経過観察になることが多いです。
心電図でST変化を伴う心肥大がある方はまず家族歴、高血圧の有無、自覚症状を確認します。心臓超音波検査をお勧めすることが多いです。血圧が高い方の場合、早めの高血圧治療をお勧めします。血圧が高くない場合、原因の特定を行います。心電図検査やホルター心電図や心臓超音波検査をお勧めすることがあります。検診で発見された心電図異常の方には、精密検査の上、経過観察を選択する方が一番多い印象です。しかし症状が乏しいのに、薬物治療や冠動脈内ステント治療、カテーテルアブレーション(焼灼術)、ペースメーカーや除細動器(ICD)の埋め込みなどが考慮すべきかたも散見されます。一度ご相談いただければ幸いです。

最後に

一般的なことになりますが、生活習慣の改善も重要です。喫煙や飲酒を控えたり、塩分やカロリーを抑えた食事をしたり、適度な運動をしたりすることで、心臓への負担を減らすことができます。心電図異常は放置しておくと重篤な結果につながる可能性もありますから、早めに専門医に相談することをおすすめします