院長ブログ

片頭痛に対する新たな選択肢 ― 注射による予防療法について

武蔵野内科では、片頭痛に対する注射治療(CGRP関連抗体製剤)を導入しております。従来は内服薬による治療が主流でしたが、近年は発症そのものを予防する新しい治療法が確立されています。

■ 注射による片頭痛予防治療とは

この治療は、片頭痛の発症に関与する物質(CGRP)を抑制する薬剤を使用します。月1回の皮下注射により、片頭痛の頻度や強度を軽減する効果が期待できます。

■ 注射は「細い針」を使用し、痛みは軽度です

注射と聞くと不安を抱かれる方もいらっしゃいますが、本治療に用いる針は非常に細く、痛みは最小限に抑えられています。また、注射手技自体も簡便で、数分程度で終了します。注射の不安がある場合には、デモ器具のご用意もあり、詳しくお話もできます。

■ このような方に推奨されます

・月に複数回の片頭痛に悩まされている方

・内服薬による予防治療が難しい、あるいは効果が不十分な方

・市販鎮痛薬を頻回に服用している方

・片頭痛によって日常生活に支障をきたしている方

■ 治療開始の流れ

1. 医師による診察と治療適応の判断

2. 保険適用の可否を含めたご説明

3. ご本人の同意の上で治療開始

4. 原則として月1回の通院による注射

※本治療は保険適用となる条件があります。診察時に詳しくご説明いたします。

■ 最後に

片頭痛は日常生活の質を大きく損なう病気です。武蔵野内科では、個々の患者様に最適な治療選択肢をご提案できるよう努めております。注射療法についてご関心のある方は、どうぞお気軽にご相談ください。

執筆者
院長 宮本貴庸
武蔵野赤十字病院循環器科 部長
東京医科歯科大学医学部 臨床講師
武蔵野赤十字病院総合診療科 部長
東京都教職員互助会 三楽病院循環器内科 部長
武蔵野赤十字病院循環器内科非常勤医(水曜日)として勤務中