院長ブログ

動悸を感じた際のセルフチェック

院長 宮本貴庸


山形大学医学部 卒業
武蔵野赤十字病院循環器科 部長
東京医科歯科大学医学部 臨床講師
武蔵野赤十字病院総合診療科 部長
東京都教職員互助会 三楽病院循環器内科 部長
武蔵野赤十字病院循環器内科非常勤医(水曜日)として勤務中

動悸や不調の原因を特定

不調の原因を特定し、適切な対処を行うために大変重要です。
胸部症状で慌てるあまり、動悸か胸痛かがよくわからなくなっている方も多いです。
セルフチェックの最重要な点は、焦らず、自分自身の症状を分析することが大切です。
胸部症状が、不整脈と関連するのかどうか?不整脈と関連せず痛みや不快感が持続するのかに注目しましょう。

安静時の脈拍数を確認しておく

まず、安静時の脈拍数を確認することが推奨されます。手首の脈を15秒間数え、その数を4倍することで1分間の脈拍数を算出できます。通常、成人の安静時の脈拍数は1分間に60〜100回ですが、100回を超える場合は異常と考えます。正常では、脈は規則正しいのですが、規則正しくなく、飛んだりする場合があります。その頻度などもできればメモなどに残し、医療者と共有するようにしましょう。

また、動悸の他に胸痛や息切れ、めまいなどの症状がある場合は、心筋梗塞や不整脈などの重篤な状態を示している可能性があるため、医療機関を受診することが必要になります。

動悸の原因は多岐にわたります

動悸の原因は多岐にわたり、心臓の病気だけでなく、貧血、甲状腺機能亢進症や自律神経の乱れ、更年期障害など、内分泌や精神的な要因によるものもあります。ストレスや過労、カフェインやアルコールの摂取など、日常生活の中で自律神経のバランスを崩す要因も動悸の引き金となり得ます。そのため、生活習慣の見直しやストレス管理も動悸の予防には欠かせません。動悸が起きた際には、深呼吸を行いリラックスすることで、副交感神経を活性化させ、動悸を落ち着かせることができます。また、ハーブティーやアロマオイルを用いたリラクゼーションも有効です。

しかし、症状が続く場合は専門医の診断を受けることが重要です。動悸は、時には心臓病の初期症状であることもあるため、早期発見・早期治療が可能な状態であれば、より良い治療結果を期待できます。